地域産業を高度化するナノテクノロジー調査
事業年度
平成15年度
事業の目的
ナノテクノロジーは、21世紀をリードするキーテクノロジーとして、材料、加工・計測・組立といった基盤分野から、情報通信・エレクトロニクス、医療・健康、バイオ、環境・エネルギー等、広い応用分野でブレークスルーをもたらす期待が寄せられている。
本事業では、北陸地域において、大学・公設試験研究機関等のナノテクノロジーに関する分野の研究動向やナノテクノロジー関連企業の現状を把握し、産学官連携などにより、機械工業関連企業の製品技術の高度化、新分野展開、新産業の創出、中堅ベンチャー企業の創出を実現する具体的方策を検討した。
これにより、今後の世界経済に貢献するナノテク開発の促進とナノテク関連分野での事業化を支援し、域内機械関連産業の活性化に役立てることを目的とする。
具体的な実施内容・成果
<実施内容>
a.北陸地域のナノテク分野の関連事業所 アンケート 932先(回答239先)
b.北陸地域のナノテク分野の関連事業所 ヒアリング 20先
c.大学等研究機関へのヒアリング 8先
d.調査委員会の開催 5回
・委員会の構成 山田 省二委員長(北陸先端科学技術大学院大学教授)、他5名
e.委員会では、事業展開のキーワード「ナノテクノロジー」について検討した
<成 果>
アンケート、ヒアリング調査により、現状及び課題を明らかにした。この調査結果を踏まえ、「研究開発」段階と「事業化」段階に分けて、課題を整理し、以下の提言をしている。
a.研究開発
(財)若狭湾エネルギー研究センターを核に県境を越えた研究交流を提言
b.事業化
情報流通に障壁があることによるマッチングのミスをなくし、事業化のチャンスを興すことを提言
c.研究開発、事業化段階共通の課題
北陸経済連合会の北陸STC事業の有効活用と産業支援機関の県境を越えた情報インフラの連携を提言
d.本報告書と別冊の「ナノテクQ&A」及び「ナノテクを展開している北陸の事業所」の取り組み内容紹介を契機とし、北陸地域内外の企業・大学との連携が生まれ、機械系工業を始めとする地域産業の活性化が期待できる。