北陸地域広域連携情報化システム利用可能性調査
事業年度
平成16年度
調査対象地域
富山県富山市、石川県金沢市、富来町、鶴来町、河内村、吉野谷村、鳥越村、尾口村、白峰村、美川町
調査目的
電源地域の特徴である過疎地域は、高度成長による都市への人口流出、過度の人口減少が地域の活力を大きく低下させた。このため、生活環境や生活基盤の充実を目指し、公共事業を中心とした過疎対策が展開された結果、インフラ基盤の地域格差は是正されつつあるが、人口減少問題の解消には至らなかった。また、拡大成長から安定成長を基調とした政策変化は、地域振興の考え方を大きく変化させている。とくに、大都市部より少子高齢化が急速に進む電源地域では、国策(過疎政策)として、長寿高齢社会の先駆けとなる地域づくりが目指されている。他の電源地域と同様に、高齢化や人口減少が進む本調査の対象地域では、地域医療の充実を克服すべき課題として認識されている。地域医療の充実への対応は、調査対象地域にとどまらず、他の過疎地域に共通する克服すべき課題であり、長寿高齢化社会のさきがけとなる地域づくりの一要因に資するものである。
一方、医療業務は“紙”を媒体とした情報伝達が中心であり、IT化が非常に遅れていた。しかし、IT技術の進歩による情報化の促進といった時代の要請に即応するため、規制緩和とともにITによる医療革命の時代が到来した。とくに、医療行為の正当性・継続性を得る手段として、共通の電子カルテを用い、医療機関同士が連携し、患者個人の被医療行為履歴等の一元管理や相互利用、病院移転伴うリスクの軽減への試みが始まっている。北陸地域においても、一部医療機関において、電子カルテを活用した連携システムが導入され始めており、IT活用を見据えた、広域多岐にわたる医療支援社会の実現が求められている。
以上を踏まえ、本調査は、電源地域の共通の克服課題である高齢者対策を包含する医療サービスを向上するため、医療情報システムに対するニーズ、運用にあたっての問題点、情報システムとしてのあり方等の調査分析することを目的としている。
調査委員会
委員長 小島一彦 金沢大学教授ほか8名 アドバイザー1名
調査結果
高齢者対策を包含する医療サービスを向上するため、医療情報システムに対するニーズ、運用にあたっての問題点、情報システムのあり方を調査分析するため、文献調査、北陸地域対象の現状ヒアリング調査および先進地視察調査を行った。
これらの調査結果を踏まえ、医療情報に関する地域情報連携システムの現状把握、北陸地域の地域連携医療、及び電子カルテ等の情報化の状況を調査、分析し、北陸地域の地域連携医療における課題・あり方について検討・整理を行った。