富山・石川両県では、これまで、それぞれが得意とするサイエンス領域で「予防医療・健康増進」を支援するバイオメディカル関連事業の知的クラスター形成を推し進めてきた。この第T期クラスターで培われた優れた成果の多くは、両県の融合になる第U期クラスターへ引き継がれ、いまや世界的にも羽ばたけるレベルへと発展しつつある。
一例として、金沢工業大学の最先端MEG(SQUID)技術による脳磁・心磁計測機(横河電機協賛)の開発は、最近、ロンドン大・フランス国立科学研究センターと共同で小動物脳磁研究所をロンドン大内に設立する快挙へと進展し、プロジェクトが真にグローバルなステージに展開していることを示している。このような、グローバルな展開と世界戦略が間近いプロジェクトが他にもあり、次々と成熟へ向かう中で、富山・石川両県研究者による相互協力も実を結びつつある。 研究成果・製品が世界的競争力をもつためには、プロジェクトが独創的で、成果が特許や契約で守られたオープンイノベーションに由来するものでなければならない。そのような生産文化を育み、地域企業の振興を図るとともに、その結果生まれる製品には勇気を与えて、世界へ羽ばたかせたい。