バーチャル・サイエンスカフェ
北陸ライフサイエンスクラスター(HLSC)では、カフェのような雰囲気の中でサイエンスを語り合う場をバーチャルで提供することにしました。第1回目は、福井県立大学の若手研究者 平修(たいら しゅう)先生から、ご自身の研究テーマをご紹介いただきます。
「測れない物を測る?見えない物を見る?」
どんなことをしているの?
私の研究室では、「測れないものを測る、見えないものを見る」を合い言葉に研究をしていす。そんな中、独自の技術を開発することに成功して、様々なものを測れるように、見えるようにしてきました! 今回は、科学の素敵さ、研究室の紹介をしていきたいと思います。
ナノ微粒子支援型質量分析法
(Nano-Particle Assisted Laser Desorption/Ionization Mass Spectrometry) ややこしい名前ですが、要は、これまで測定できなかった小さな分子を測れるようにナノテクノロジーを駆使して開発した技術です。
ジャガイモの芽には毒が沢山!
これはみんなが知っていることです。このようなみんなが知っていること(既知)なことを見える様にすることは科学的にも日常の生活にも大事なことです。(百聞は一見にしかず)
私の学問分野について
・分析化学(Analytical Chemistry)
この物質はどんな成分で作られているのだろう?例えば、牛乳って何が入ってるとこういう味なの?、このコップって、何でできているの?と思った時、もうあなたは分析化学者になっています。分析化学とは、複数の成分で作られている物質から一つ一つ成分を分けて、それが何なのかを理解する学問です。
・質量分析(Mass Spectrometry)
2002年に田中耕一さんがノーベル賞を受賞して世界中の人が知るところとなった技術。物質の重さ(質量)は絶対に変わらない(不変)なので重さを測ることで物質が何かどんな形をしているのかまで分かる。
最後に
科学(サイエンス)は、人類の生活を豊かにする真実を見つける事です。私たち科学者は知識と経験とアイデアでもって、誰も知らなかった真実を見つけることを日々の生業(仕事)としています。
私自身は、大学に勤めていますが、教員免許はありません。ですから研究を通して(しか)、学生さんを教えられません。一番大事にしていることは、実験して得られた結果は全て真実だから、それを世の中に報告する義務がある。実験ノートに書いただけで終わらせる事は罪であると思っています。そういった気持ちで研究をしています。
- 平 修(たいら しゅう) 1975年 宮城県生まれ
- 北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程修了
- (博士:材料科学)
- 著書14報、原著論文59報(2017年1月現在)
- 2016年日本質量分析学会奨励賞受賞